概要
Desmosのmedian 関数を使うことで、複数の図形の重なりを簡単に可視化できます。特に、奇数個の領域 fk(x,y)≤0(k=1,2,…,2n+1) があるとき、 median(f1(x,y),f2(x,y),…,fk(x,y),…,f2n+1(x,y))≤0 とすることで、「n+1個以上重なった部分」だけを塗りつぶすことができます。
この性質を利用して、簡単な縞模様を重ねるだけで、星型の美しいパターンを作ることができます。
median関数の仕組み
まずは、median関数の動作を体験してみましょう。以下のデモグラフで、スライダーを動かして中央値の変化を観察できます。
多数決的な直観
fk(x,y)≤0 という形で各図形の内部を定義したときに、median 関数でまとめて判定することで、「多数決」で塗りつぶす領域を決めることができます。
数学的に、median 関数は与えられた値を照準に並べたとき、中央に位置する値(中央値)を返します。
例えば、a1,a2,a3 の場合、値を小さい順に並べて2番目の値がmedianです。
一般に、奇数個 2n+1 個の値 a1,a2,…,a2n+1 に対して、
median(a1,a2,…,a2n+1)=an+1 (昇順に並べたとき)
この性質を関数アートに応用すると、各 fk(x,y) の符号(正か負か)を多数決で決めることと同じ意味になります。すなわち、2n+1 個の関数のうち n+1 個以上が負であれば、median も負となり、その点 (x,y) は「塗りつぶし領域」として判定されます。
実際の例:3つの縞模様でスターを作る
例えば、以下の3つの縞模様を考えます。
- f1(x,y)=cosx
- f2(x,y)=cos(2x+3y)
- f3(x,y)=cos(2x−3y)
これらはそれぞれ0度、60度、120度方向の縞模様です。
このとき、次のような不等式で塗りつぶし領域を定義します。
median(f1(x,y),f2(x,y),f3(x,y))≤0
この条件を満たす部分だけを塗りつぶすと、星型のパターンが現れます。

応用例
median 関数を使えば、5本、7本…と奇数本の縞模様を重ねて、より複雑な星型や多角形のパターンも作れます。
また、各fkを円や他の図形にすれば、重なりの多数決で新しいアートを生み出すことも可能です。
まとめ
median関数は、複数の図形の重なりを「多数決」で表現できる強力なツールです。
シンプルな式の組み合わせで、驚くほど美しいパターンを作ることができるので、ぜひいろいろ試してみてください!
